夏風邪の原因と対処方法。出来るだけ早く治すには?
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今年の夏は、台風も随分と長く居座ってみたり、なんだり、なんだか変な天気でしたね。外来を受診される患者さんも、例年に比べて、風邪症状で受診される方がさらに多かった印象があります。この時期の体調管理は、本当に大変です。現在では、ちょっと前まで新型インフルエンザ、と言われていた、夏のインフルエンザも見られるようになったり、ウイルスの変異も激しいです。
夏風邪とは何か?
夏にかかるかぜ症候群、というものです。風邪は、ウイルス性疾患なので、抗生剤が効きません。よくかぜを引いたから抗生剤をください、という方が外来にいらしたりするのですが、かぜを治す薬、というものはなく、基本的にかぜは「対症療法」しかできないので、市販の薬でも、病院から出される総合感冒薬と特に変わりはないのが実情です、残念なことに。
夏風邪にかからないためにはどうすればいいか?
まずは手洗いとうがいの徹底はもちろん、のことですが、夏風邪になると、これに加えて「体温の調節」というのが非常に重要になってきます。そもそも、夏になると食欲が落ちたり、体温の調節がうまくいかなかったり、で免疫が弱くなってしまうことも多いです。
また、暑いがゆえに、食べるものが偏ってしまったり。(お素麺とかばっかり食べてる人、いませんか?)また、夏のもっとも一番大きな特徴として、暑いところから、急にクーラーが効いたところに移動して、一気に体温が下がってしまったりという、外気温の大きな変化に体がついていかない、ということが考えられます。
夏風邪にかからないための対処法
では、どう対応すればいいのか?暑いからといって、冷たいものばかり食べると、体温が下がり、ウイルスが体に入ってきた時に対抗しにくい体になってしまいます。お水もできれば常温が好ましいです。
また、外気温の急な変化に対応するために、何か一枚必ず羽織るものを持ち歩く、また汗をきちんと吹くことが大事です。薄手のカーディガンや、ストール、スカーフなど、あると非常に便利です。私個人は、大判のスカーフを持ち歩いていることが多いです。
そして、夏だからこそ、きちんと下着、特に腹巻や一枚薄手のものをきておくこと。現在は機能性が高いものも多いですが、古来から「腹巻」は愛用されてきました。私も腹巻を愛用しています。お腹を冷やさないようにしておくことは有効です。

あとは、できるだけ常温、特に緑茶をこまめに飲むことをお勧めします。緑茶に入っているカテキンは殺菌作用があることが知られており、緑茶を飲むことで、うがいと同じように、ウイルスの侵入を防ぐことができます。
夏風邪の治療は難しい
風邪に関しての治療がなぜこんなに難しいのか、というと、相手がウイルスであるからで、夏に流行るウイルスは大体決まってはいますが、あまりにも数が多く、風邪のための抗ウイルス薬、というのを作るのは大変です(インフルエンザは除きます)。
そのため、かかってしまったら、医者に行くよりも、むしろ漢方用語では「養生」という言葉を使いますが、まずは体を温めるようなものを食べ、しっかり体を休めることが大事です。
風邪が治る薬をください、もしくは点滴はないでしょうか、という方が外来にいらっしゃることは非常に多いのですが、上記からの理由で、「風邪が治る処方」というものは、西洋医学から考えるとないのです。
古来からの知恵、例えば生姜湯を飲む、というようなことは、決してバカにはできません。腹巻も昔から言われていますが、カナダの人に「風邪の時に何する?」と聞いたら、「ジンジャーエールを飲む」という答えが返ってきて、日本とカナダは少なくとも共通してる!と興味深い答えでした。つまり、体を温めるような食事は有効だということです。
漢方では、その方の体質と、病気の状態に合わせて薬を処方します。風邪には葛根湯、というのは有名ですが、これは必ずしも正しくなく、ひき始めで、その方の元々の元気さ(証、という用語を使います)に合わせて本来は処方されるべきものです。葛根湯は、実証(基本的に元気な方)の風邪症状のはじめの時に使うもので、そうでない場合に使うと、副作用がでる、もしくは全く効果がない、ということが起こり得ます。
現在は医療機関で保険診療で漢方を処方できますが、できれば漢方医がいるところに受診した方が良いでしょう。そこまでしなくても、しっかり食べて、体を冷やしすぎず、かといって暑すぎても眠れないわけですが、うまくエアコンタイマーや扇風機なども活用して、日頃の疲れを取るようにしてください。
参考文献:呼吸器疾患漢方治療の手引き 巽浩一郎著 2006年
執筆)内科医(呼吸器)、産業医 野尻紀代美

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